むぎの手記　掲示板

はじめまして。たたもです。
こちらの界隈では、「もとき」という名前であれば少しは覚えてくださっている方もおられるかもしれません。
私であればより技術的な面での意見提供が出来る気がしたので、投稿させてもらいます。

"3D"と"オンライン対戦"について。
まず前者ですが、3Dが何を指すのか。
福田直人のホームページの下のほうに、3Dまさお(ウソ)というものがありますね。
このような形態の、見た目だけ3D化したものを作ることは、技術的には問題なく可能であると考えています。
ただここで生じるのが、グラフィックを3Dのものにあわせなければならないという問題です。
ブロックなどは全ての面に同じテクスチャを貼り付けることができますが、正男をはじめ、全てのキャラクターの3Dモデルを用意する必要があります。またファイアーバー、移動する床、ドッスンスン、敵の攻撃等も同様です。
これらの3Dグラフィック資産は現状では当然ゼロに等しいですし、またpattern.gifだけでは到底役割を果たせないので、どのようにグラフィックを取り扱うかも決めなければなりません。
よって技術面はもとより、技術を用いて描画すべきグラフィック面の問題も大きくなるでしょう。
JS正男(による使用者側独自のグラフィック操作)も加味すれば、2Dと3Dのシームレスな統合を実現できる体制を整えなければいけませんし、おそらくそれは困難な道のりです。

次に、オンライン対戦についてです。
実はこちらに関しては、私は既に「ブラウザ上で動き、」「オンライン対戦可能な」正男のようなアクションゲームを実際に作ったことがあります。なおSilverlightを使用しました。
あまり大きく公開しているものではないのですが、インターネット上に動画もありますし、そのURLをお教えするか、必要ならば実際にダウンロードしてテストプレイしてもらうこともできます(ただし環境の用意の必要等あって使いにくいですが)。
ここで感じたことを幾つか書いていきます。
まずオンライン「対戦」なので対戦要素を盛り込むわけですが、ここで私がまず思いつき、実装したのがプレイヤー同士の殴り合いです。ですがこの場合、ステージは対戦を前提に作られることになりますよね?
たとえばスマブラのような対戦ステージです。そしてこの場合、スマブラのステージで終点が好まれることが多いように、ただ平坦なステージがあれば良いのです。何が問題かというと、ではその正男の設置者は一体何を作ったといえるのか、ということです。
殴り合いの対戦をすることはできるのですが、そこではもはやステージ作成の楽しみはほとんど失われています。
共同で同じステージを攻略する、と言う手もありますが、これまでの正男はあくまでプレイヤーが1機であることを前提としていますし、ここでも幾つかの問題が発生することは容易に予想されます。
例えばボスは両端に1人ずつ待機すれば一瞬で倒せるのでは、早々にミスしてしまった相方の復活はどうするのか、等です。書いていて別に克服できない問題ではなさそうに感じてきましたが。
また技術面においても課題があることがわかりました。
まず、複数人プレイを実現するためのサーバーを構築する必要があります。
私の場合websocketサーバーを立ててそこに接続する形としたのですが、これはCGIだとかPHPとかでできる話ではないので、これまでのように既存のサーバーに必要物をアップロードするだけでは済まないでしょう。
一応サーバーを介さずにクライアント間でやりとりをする技術もあると聞きます(ＷｅｂRTC)が、より新しい技術ですので安定性、柔軟性がどれほどのものか未知数であると同時に開発者の学習コストもかかります。
次に、これらの問題と関連した形ですが、ブラウザ上でオンライン通信ゲームを作る場合、使用可能な技術が非常に限られてきます。
まず通信プロトコルではUDPは使用できませんし、この面で既に速度面で不安が残ります。さらに恐ろしいのが、HTML5にしろSilverlightにしろ、ミリ秒単位でのfpsの安定性が低いことです。これは普通にプレイしていてもラグが発生しやすいということで、ゲームシステムの設計の面でこれを補う工夫が必要となります。

総論として、3Dやオンラインプレイといった機能は魅力的ですし、ぜひ実現したいものではあるのですが、仕様の細部に渡ってどのようなものを作るのか具体的に決めない限り、非常な困難を伴うと考えます。
オンラインプレイ可能な追加モジュール、3D表示可能な追加モジュールというように、追加機能を別個に付け加えることができると良いかもしれません。モジュールの競合問題等に気を払う必要が生じるかもしれませんが。
長文失礼いたしました。